横向き寝、右下寝がダメって本当!?

こんにちは、大阪市旭区にある新森桂整体院の桂 寛章(かつら ひろあき)です。

「右を下にして寝るのは身体に悪いってネットで読んだんですが本当ですか?」

先日、ある患者さんから、こんな質問をいただきました。

たしかに「右下で寝ると肝臓に悪い」「胃に負担がかかる」など、いろんな情報がネット上にはありますよね。
「それって本当?どうして悪いの?」と疑問もあるかと思います。
そこで今回は、「横向きで寝るとき、右を下にするのは身体に悪いのか?」について、分かりやすくお話ししていきます。

結論:右を下にして寝るのが悪いわけではない

まずお伝えしたいのは、「右を下にして寝るのが絶対にダメ!」というわけではありません。

ただし、身体の状態によっては、右下で寝ることが、不調の原因になることもあります。

では実際に、右下・左下で寝ることには、どんなメリット・デメリットがあるのか?身体の構造を交えながら、解説していきます。ただし全ての臓器についてお話しすると、かなり長くなってしまうので、今回は皆さんもよく知っている「胃」や「心臓」「腸」を中心にお話しします。

寝る姿勢と胃の関係

まずは、身体の中の構造について少し説明します。

人の胃は、お腹の左側に寄った位置にあり、形はバナナのように少しカーブしており、胃の上の方には「食道からの入り口」、下の方には「腸(小腸)に向かう出口」があります。

この位置と形により、寝る向きによって身体への影響が変わります。

右下で寝るときのメリット・デメリット

メリット

  • 胃の内容物が腸に流れやすい
    右を下にすると、胃の出口(腸へ向かう)が下を向きます。そのため、食後に少し横になるときなどは、胃の内容物がスムーズに腸へ送られると感じる方もいます。
  • 心臓の圧迫感が少ない
    心臓は身体の左側にあるため、右を下にすることで胸の違和感が軽くなることもあります。

デメリット

  • 胃酸の逆流が起こりやすい
    胃の入り口が下を向くことで、食道に胃酸が逆流しやすくなります。特に逆流性食道炎や胸やけのある方には向かない寝方です。
  • 右肩や右腰に負担がかかる
    長時間同じ姿勢で寝ていると、右側の肩や腰に体重が集中しやすく、痛みやハリの原因になることがあります。

左下で寝るときのメリット・デメリット

メリット

  • 胃酸の逆流を防ぎやすい
    左を下にすると、胃の入り口が上を向く形になり、胃酸が逆流しにくくなります。逆流性食道炎の方には特におすすめの寝方です。
  • 便秘気味の方におすすめ
    大腸の構造上、左を下にして寝ると腸の動きがスムーズになりやすく、排便を促す助けになることがあります。お腹の張りや便秘が気になる方には、試してみる価値のある寝方です。
  • 妊婦さんにもおすすめ
    妊娠後期には子宮が大きくなり、血管を圧迫することがありますが、左を下にすると血流が安定しやすくなるため、医療現場でもよくすすめらる寝方です。

デメリット

  • 左肩や左腰に負担がかかることも
    右下と同様、左下でも同じ側を下にすることで筋肉や関節に負担がかかり、肩こりや腰の違和感につながることがあります。
  • 心臓が下になって、違和感を感じる人も
    心臓が下側にくることで、胸が重く感じるなど、不快感を覚える方もいらっしゃいます。

横向きで寝るときの注意ポイント

それぞれにメリットデメリットがあると、「結局どっちがいいの?」と迷いますよね。

でも実は、人は一晩に2030回ほど寝返りを打つと言われています。 そのため、寝るときの向きにそこまで神経質になる必要はありません。

ただし、逆流性食道炎や胸やけ、妊娠中、胃もたれ・便秘などが気になる方は、 「寝始めの向き」だけでも意識してください。

また、朝起きたときに腰や肩、首に負担を感じる場合は、次のような工夫をすることで負担を軽減できます。

  • 抱き枕を使って体のねじれを防ぐ
  • 下になる肩や腕を少し前に出して圧迫を減らす
  • 膝の間にクッションを挟んで骨盤のねじれを防ぐ

これらを意識するだけでも、寝起きの体のラクさが変わってきます。

仰向け・うつ伏せ寝

仰向けは基本的に体への負担が少なく、理想的な寝姿勢とされています。
ただし、いびきをかきやすい姿勢でもあります。

うつ伏せ寝は、首や腰に負担がかかるため、あまりおすすめいたしません。

まとめ

「なんとなく右下がラク」「TVの位置的に左がいつも下になる」など、どちらか一方ばかりが下になる方もいらっしゃると思います。そんな方は、無理に変える必要はありません。

ただし、

・起きたときに、肩や腰が重い

・逆側を下にして寝ると、どこかが痛くなる

・寝ても疲れが取れない

こういったお悩みがある場合は、寝方そのものよりも「身体のゆがみ」が関係しているかもしれません。

どんなに寝方を工夫しても、身体にゆがみがあると、寝ている間も筋肉や関節に負担がかかり、疲労が回復しきれません。

「最近、朝スッキリ起きられない」「ちゃんと寝ているのに体がだるい」そんな方は、この下にある無料のメール相談やお電話で、お気軽にご相談ください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)