変形性膝関節症|ヒアルロン酸注射はいつまで続ける?
変形性膝関節症|ヒアルロン酸注射はいつまで続ける?
「変形性膝関節症と言われて、ヒアルロン酸注射を続けている」
「最初は楽になったけれど、最近は効いているのかよく分からない」
「この注射、いつまで続ければいいの?」
そんな疑問を持ちながら、整形外科に通っている方もいらっしゃると思います。
ヒアルロン酸注射は、変形性膝関節症の痛みをやわらげたり、膝を動かしやすくしたりするために行われる治療の一つです。
日本整形外科学会のガイドラインでも、痛みの軽減や機能の改善に有用とされています。
ただし、すべての方に同じような効果があるわけではありません。
また、「何回受けたら終わり」「いつまで続ければいい」と、一律に決まっているものでもありません。
では、注射を続けているのに痛みが変わらない場合は、どうすればよいのでしょうか。
この記事では、ヒアルロン酸注射の役割や続け方の目安とともに、注射を続けても痛みが良くならないときに、一度確認してほしいポイントを分かりやすくお伝えします。
この記事を書いた人
大阪市旭区 新森桂整体院 院長
鍼灸師・柔道整復師 桂 寛章

そもそもヒアルロン酸注射は何のため?
ヒアルロン酸注射を受けている方の中には、
「膝に水がたまっていますね」
と言われたことがある方も多いと思います。
この「水」は関節液といい、もともと膝の関節の中にある液体です。
関節液にはヒアルロン酸が含まれていて、膝を滑らかに動かしたり、関節にかかる衝撃をやわらげたりする働きがあります。
イメージとしては、膝の動きを滑らかにする「潤滑油」のようなものです。
ところが、膝に炎症が起きると、関節液が増えることがあります。
これが、いわゆる「膝に水がたまった」状態です。
こうした炎症が起きると、ヒアルロン酸の働きも弱くなります。
そこでヒアルロン酸を注射して、膝が滑らかに動くのを助けるわけです。

ヒアルロン酸注射は何回くらい受けるもの?
ヒアルロン酸注射は、すり減った軟骨や変形した膝を元に戻すためのものではありません。
先ほど説明したように、膝を滑らかに動かしたり、痛みをやわらげたりするために行われます。
一般的なヒアルロン酸注射では、1週間に1回、5回ほど続けるのが目安です。
ただし、5回受けたら必ず終わりではありません。
その後も続けるかどうかは、膝の状態や痛みの変化などを見ながら判断されます。
ですから、
「5回ほど受けても、あまり痛みが変わらない」
「以前は楽になっていたけれど、最近は効果を感じにくい」
という場合は、
「このまま注射を続けた方がいいですか?」
と、一度主治医に相談してみるのもよいと思います。
痛みが変わらないときは?
ヒアルロン酸注射を続けているけれど、なかなか痛みが良くならない。
そんな方は、立っているときに足のどこに体重が乗っているかを見てください。
整形外科で、
「膝の内側の隙間が狭くなっていますね」
「軟骨がすり減っていますね」
と言われた方もいらっしゃると思います。
では、なぜ膝の内側の隙間が狭くなったのでしょうか?
身近なもので例えてみます。
普段よく履く靴の裏を見ると、かかとの外側など、一部分だけがすり減っていないでしょうか?
これは、歩くときにいつも同じところに負担がかかっているからです。
ですから、靴を新しくしても、負担のかけ方が変わらなければ、また同じところがすり減ってしまいます。
膝も同じように考えてみてください。
膝の内側の隙間が狭くなったり、軟骨がすり減ったりする背景には、膝の内側に繰り返しかかる負担も関係しています。
そして、その負担に関係するものの一つが、普段の立ち方です。
膝の内側に負担がかかる立ち方とは?
では、どのような立ち方をすると、膝の内側に負担がかかるのでしょうか?
その代表的なものに、足の外側、小指側に体重がかたよった立ち方があります。
小指側に体重がかたよると、膝が外側に開き、いわゆるO脚のような形になります。
すると、膝の内側の隙間が狭くなり、軟骨にも負担がかかります。

↑右足は小指側に体重が乗り、膝はO脚気味になっています。左足は比較的まっすぐです。
下記の動画では、自分の体重が小指側に乗っていないかを確認する方法や、セルフケアも紹介していますので、よろしければご覧ください。
実際に来院された方の症例
ここからは、変形性膝関節症で膝の痛みに悩んでいた方の症例をご紹介します。
症例①|長年、変形性膝関節症に悩んでいた方
長年、変形性膝関節症による膝の痛みに悩んでいた方です。
痛い膝を触られるのが嫌で、施術を受けることにも不安を感じていたそうです。

(※施術の効果には個人差があります)
この方の身体を確認すると、左右で膝の伸び方が違い、骨盤や肩の高さにも左右差がありました。
また、膝を少し曲げた状態で立っていたため、身体は前に傾き気味になっていました。
このような姿勢になると、股関節も動かしにくくなり、歩くときに足が上がりにくくなります。
足が上がりにくいと、ちょっとした段差でもつまずきやすく、自然と足元を見ながら歩くようになります。
その結果、さらに身体が前かがみになりやすくなります。
こうした身体のバランスが、膝に余計な負担をかけ、痛みを長引かせているのではないかと考えました。
そこで、痛みのある膝だけではなく、身体全体のバランスを整えるように施術したところ、患者さんからは、
「膝以外のところを施術することで膝の痛みがすっかり和らぐのです」
「腰痛や肩こりも和らいできました」
という声をいただきました。

症例②|人工関節の手術後も膝の痛みに悩んでいた方
こちらは、膝に人工関節を入れた後も、膝の痛みに悩んでいた方です。

(※施術の効果には個人差があります)
この方のお身体を見てみると、足首や股関節をあまり動かさず、足を棒のようにして歩かれていました。
膝はもちろんですが、股関節や足首の動きが硬くなると、歩いたときの衝撃をうまく逃がすことができません。
その状態で歩き続けていたことで、患者さんも書かれているように、膝から下がパンパンに張ったり、足の裏にまで痛みが出ていたのだと考えます。
またこの方は、これまで通った病院や整骨院では、
「筋肉をつけてください」
「体重を落としてください」
と言われていたそうです。
もちろん、膝を支えるために筋肉をつけることや、体重を管理することも大切です。
ただ、この方の場合は、日常生活を送るだけでもつらい状態です。
そのような状態で「筋肉をつけましょう」と言われても、正直難しいです。
そこで当院では、筋肉をつけることよりも、まず硬くなっていた股関節や足首を動きやすくして、膝にかかる負担を減らしました。
すると、先ほどまで立てなかった椅子から、立ち上がれるようになりました。
つまりこの方は、筋肉が足りなかったのではなく、股関節や足首の硬さが膝の動きにも影響し、その結果、足に力が入らなくなっていたと考えられます。
このように、同じ膝の痛みでも、膝に負担がかかっている理由は人によって違います。
ですから、身体全体を見て、「痛みの原因は何か?」を探すことが大切だと考えています。

まとめ
ヒアルロン酸注射は、変形性膝関節症の痛みをやわらげたり、膝を動かしやすくしたりするために行われる治療の一つです。
注射を受けて痛みが楽になっているのであれば、主治医と相談しながら続けていくのもよいと思います。
ただ、
「何回注射をしても痛みが変わらない」
「以前より効かなくなってきた気がする」
という場合は、膝だけでなく、身体のほかの部分にも目を向けてみることが大事です。
もちろん、整体で変形した膝そのものを元に戻すことはできません。
しかし、今回ご紹介した症例のように、膝以外の部分を見直すことで、痛みや歩きやすさに変化が出る方もいらっしゃいます。
当院の膝の施術については、こちらのページでも詳しく紹介しています。
【▶︎膝の痛みのページはこちらから】
最後までお読みくださり、ありがとうございました。




