生理前の腰痛について 患者さんの声
こんにちは大阪市旭区の新森桂整体院の桂です。
今回のブログのテーマは「生理前の腰痛」です。
時々来院されている方から、こんな質問を受けることがあります。
「娘が生理前に腰痛がひどくて困っているんですが…」
「婦人科で薬は貰ってるけど、薬以外に何か方法はありませんか?」
詳しくお話を伺いますと
・生理前の腰痛は仕方がない?
・低容量ピルや痛み止め飲んでいるが、効く時と効かない時がある。
・薬は副作用も怖いし、なるべく飲ませたくない。
…このような事で悩んでいる方が多いです。
たしかに娘さんが毎月つらそうにしていたり、痛み止めを飲んでいたら心配になりますよね。
またご本人も仕事や家事・学校もあるでしょうし、この先ずっと生理痛が続くと思ったら…憂鬱になるかと思います。
そこで実際に当院に来られた方の例を上げて、生理前の腰痛について説明します。
(施術の効果には個人差があります)
Y.Aさんの1番の悩みは肩こりでした。
生理痛や不眠については、初回の問診時に「肩こりの他に何か困っていることはありますか?」と尋ねてお話になられました。
たしかに普通、整体で生理痛や不眠症が良くなるとは思わないですよね。
そこで今回のブログでは「生理痛と整体」「生理痛がひどくなる理由」「自律神経の整え方」についてご説明します。
なぜ整体が生理痛に効果があるのか?
肩こりや腰痛の原因は体の歪みです。
体の歪みは背骨の歪みにつながります。
自律神経は背骨の周りを通っており、背骨が歪むと自律神経の通り道が妨げられます。
すると各機能(臓器)との連絡が悪くなり、さまざまな症状が現れます。
ですから体の歪みを整えると、おのずと自律神経の流れも良くなり、さまざまな症状が改善していきます。
(Y.Aさんは生理痛の痛み止めの他に睡眠薬もやめることができました)
生理痛と深く関わる自律神経とは?
自律神経とは、体が自律的に働く神経です。
例えば「血液の流れ」「心臓の動き」「食べ物の消化」など、私たちは意識的な努力はしないでも体の各機能は自動で動いています。これが自律神経の働きです。
もう少し詳しく説明すると、自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、それぞれが異なる働きをしています。
交感神経は体の活動を活発化させる役割で、心拍数の増加・血圧の上昇・呼吸が速くなるなど、興奮したり体に力を入れた状態の時に働きます。
逆に副交感神経は休息時に働き、心拍数の低下・血圧の下降・呼吸がゆっくりになります。
自律神経が乱れるとは?
自律神経の乱れとは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、各機能の正常な調整が効かなくなることです。
例えば、安静にしているのに「ドキドキ」と心臓の動悸がしたり、暑くないのに汗をかいたり、のぼせたり…これは自律神経の乱れであり、更年期によく起こる症状です。
更年期は女性ホルモンの減少に伴い自律神経が乱れ、上記のような症状が現れます。
その他にも、緊張して手がプルプル震えたり、怖くて足がブルブル震える。この震えも過度のストレス(緊張や恐怖)で自律神経が乱れるからです。
また生理痛の原因になる「血流の低下」や「ホルモンバランスの乱れ」も自律神経が影響しています。
なぜ生理痛がひどくなる?
生理痛は骨盤内の血流の悪化、子宮の収縮、プロスタグラジンの増加などが原因で起こります。
血流の悪化
生理が始まると体温が下がります。体温が下がると自律神経が働いて血管が収縮するので、血流は悪くなります。
子宮の収縮
子宮内膜がはがれ落ちる際には「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。プロスタグランジンは子宮を収縮させて、経血を押し出す働きをします。
そしてこのプロスタグランジンの分泌量が多いと、子宮の収縮が強くなり陣痛のような痛みを引き起こします。
なぜプロスタグラジンが過剰になるか?
ホルモンバランスが乱れると、子宮内膜が厚くなりプロスタグラジンが過剰分泌されます。
また過度なストレスも、ホルモンや自律神経のバランスを乱し血流を悪くします。
血流が悪くなるとプロスタグラジンが骨盤内にとどまってしまい、痛みを強く感じます。
つまり自律神経は、生理痛を悪化させる「子宮の収縮」「血流の悪さ」「プロスタグラジンの増加」に深く関わっているのです。
自分で出来る自律神経の整え方
1:生活のリズムを整えてください
起きる時間、食事の時間、寝る時間が日によってバラバラだと、体内時計が乱れ自律神経にも影響します。
特に起きる時間が重要ですので、休みの日だから昼までゴロゴロ…は気をつけてください。
2:寝る前にスマホやPCを見るのは避けてください
スマホなどから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し自律神経のバランスを乱し、睡眠の質を低下させます。
睡眠は心身の健康を維持するためにも重要です。
就寝90分前にはスマホやPCから遠ざかるのが理想です。
3:適度な運動を心がけてください
適度な運動は自律神経を整えます。
ただし勝ち負けを競うような運動より、ウォーキングなどがお勧めです。
特に朝起きてから1時間以内に15~30分のウォーキングをすると、セロトニン(別名:幸せホルモン)が活性化するので、ストレスを抱えている方にはお勧めです。
また朝日を20分程度浴びると体内時計がリセットされます。
4:寝る前にコップ1杯の水を飲んでください
体内の水分が不足すると、交感神経が過剰に働きます。交感神経が優位になると睡眠は浅くなります。
特に睡眠中は約200ccの汗をかきます。またそれ以外にも膀胱に尿が溜まるなど、意外と水分不足になりがちです。
そこで寝る前に常温の水を飲むことをお勧めします。
水分を補給することで副交感神経が優位になり、睡眠が深くなります。
また日中もこまめに水分補給を心がけてください。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
自律神経を整えることは生理痛にとって非常に大事です。
生活習慣を見直すだけでも効果はありますので、ぜひご参考にしてください。
ただしY.Aさんのように「色々試したけどダメだった…」とお悩みでしたらお早めにご相談ください。
このブログが、生理前の腰痛でお悩みの方に少しでも役に立てば幸いです。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)