変形性股関節症の治し方

皆さん、こんにちは、新森桂整体院の桂 寛章です。
「階段を上るのがつらい…」
「歩くと股関節が痛む…」
「低いイスや座敷に座るのがつらい…」
こんな症状でお悩みではありませんか?
変形性股関節症は、年齢を重ねると共に多くの方が悩む症状です。でも「年だから仕方ない」と諦める必要はありません。
適切なケアと治療で、痛みを和らげ、動きやすさを取り戻すことは可能です。
今回のブログでは、変形性股関節症について原因から症状、そして当院での実際の施術例を動画でご紹介しています。
さらに、注目のセルフケア法「貧乏ゆすり」の効果についても紹介しています。この意外なセルフケアが、あなたの変形性の股関節症の痛みを変えるかもしれません。ぜひ最後までお読み下さい。
変形性股関節症とは
変形性股関節症は、股関節の軟骨が徐々に摩耗し、痛みや機能障害を引き起こす慢性的な疾患です。年齢とともに発症リスクが高まり、特に50歳以上の方に多く見られます。
症状と初期サイン
初期段階では以下のような症状が現れます。
- 股関節の違和感や軽い痛み
- 長時間の歩行後の疲労感
- 股関節の硬さや動きにくさ
- 階段の上り下りが困難
これらの症状が持続する場合は、悩みを一人で抱え込まずに、医療機関への早めの相談をおすすめします。
原因とリスク因子
変形性股関節症の主な原因は以下の通りです
- 加齢による軟骨の摩耗:年齢と共に関節を守る軟骨がすり減り、このすり減る部分に隔たりがあると、発症リスクは高まります。
- 過度の体重負荷:体重が増えると股関節にかかる負担が大きくなり、軟骨がすり減りやすくなります。特に成人初期に太り始めると、発症リスクが高くなると言われています。
- 先天性股関節脱臼の既往:股関節の構造は、餅つきの「杵とうす」のようなものです。(杵が太ももの骨でうすが骨盤)先天性の股関節脱臼は「うす」である骨盤の「穴」が浅い状態であり、太ももの骨との接合部がしっかりしていません。この影響が加齢による軟骨の摩耗と重なることで、不安定さを増し痛みを発症します。
- スポーツや仕事による過度の負担:股関節を大きく動かすスポーツや作業による股関節への負担をかけ続けることで、発症リスクは高まります。
変形性股関節症の男女比は、男性に比べて女性の方が多く、約3倍以上になっています。
痛みの進行度
変形性股関節症の進行度は一般的に3段階に分けられます
初期
・足の付け根やお尻、太ももなどに軽度の痛みと違和感(こわばりや重だるさ)
・歩き始めや立ち上がりの際に、股関節に痛みを感じる
・痛みの種類としては、鈍痛やさほど強くない痛みの場合が多い
中期
・股関節周囲の痛みが強くなり、痛みを感じる時間が長くなる
・夜寝ていても痛いなど、安静時にも痛みが出る
・歩行時や靴下やズボンの脱ぎ着など、股関節の動きの制限が進む
末期
・安静時にも痛みが激しくなり、睡眠を妨げるようになり、生活への支障が著しくなる
当院での施術例
変形性股関節症で来られる方は、我慢に我慢を重ねて(手術はしたくないとの思いで)来られる方や、わりと早期に来られる方など、痛みの強さも股関節の動きの制限も、本当に人それぞれです。
もちろん早期に来てくださると、施術もしやすいのですが、「手術は怖い…」というお気持ちは分かります。そんな方のお話を聞くと「治療に行って、もし手術を勧められたら…と思うとなかなか病院に行く気になれなかった」と言われる方も意外といらしゃいます。
今回紹介させてもらうのは、初回の来院時には既に3カ月後に人工関節の手術が決まっていた患者さんです。知人の紹介で来てくれた方ですが、手術するまでの3カ月間を少しでも楽に過ごしたいとの思いで来院されました。
【症例紹介】
60代女性Aさんの例
3ヶ月の施術で痛みが軽減し、初回時には杖をついて歩いていましたが、杖なしでも歩けるまでに回復しました。
この方の痛みが「なぜ楽になったか?」もちろん私が施術したからといって「すり減った軟骨」が増えたわけではありません。私がしたのは「身体の歪み」を整えて、股関節に集まっていた負担を取り除いただけです。
そもそも変形性股関節症の痛みの原因である軟骨のすり減りは、年齢と共に誰にでも起こるものです。しかし、同じ年代でも「痛みに悩む人」もいれば「痛くない人」もいます。この差は何か?と言えば、軟骨のすり減り方が偏っているか?の問題です。
股関節の関節面、全体的にすり減れば年を重ねても大丈夫ですが、身体が歪み股関節の一部分だけに強く負担がかかるようになると、そこばかり使うので軟骨のすり減り方は偏りますし、すり減り方も早くなります。これが痛みのある人とない人の差です。
セルフケアで注目の「貧乏ゆすり」
上記の患者さんは、施術に来てくれたので必要ありませんでしたが、最近では「貧乏ゆすり」が効果的なセルフケア方法として注目されています。そこで貧乏ゆすりについて解説します。
なぜ貧乏ゆすり(ジグリング)が効果的なのか?
軟骨の再生を促進
小刻みな動きが関節液の循環を良くし、軟骨に栄養を届けます。
実験では、ジグリングにより軟骨欠損が52%も再生したという驚きの結果も出ています。
痛みの軽減
股関節周辺の筋肉、特に梨状筋をリラックスさせ、坐骨神経への刺激を減少させます。
下半身の筋力アップ
太もも、ハムストリング、ふくらはぎの筋肉を動かし、歩行力の低下を予防します。
血流改善
下肢の血流を促進し、股関節周囲の筋肉のこわばりを改善します。
どのように行うか
- 椅子に浅めに腰掛け、股関節と膝関節を90度に曲げます。
- 足の指先は床につけ、かかとを浮かせます。
- 足を小刻みに上下させます(片脚ずつでも両脚でも可)
頻度と時間
- 毎日30分以上行うことが推奨されています。
- できるだけ早く上下させるのがポイントですが、股関節に響くような痛みが出るならゆっくりでも構いません。痛くなく無理なくするのが一番です。
実践のコツ
- テレビを見ながら、読書しながら、食事しながらなど、日常生活に取り入れやすい方法で構いません。とにかく毎日続けることが大事です。
- 始めは短時間からで結構です。徐々に時間を延ばしていきましょう。
日常生活で気をつけたほうが良いこと
- 適度な運動と休息のバランスを保つ
- 正しい姿勢を意識する
- バランスの良い食事で、体重管理に気をつける
- 転倒に注意する
- 無理な動作を避ける
- 入浴はシャワーで済まさずに、湯船に浸かり体を温める
まとめ
変形性股関節症は、適切な管理と治療により、症状の改善や進行の遅延が可能な疾患です。早期発見・早期治療が重要なので、気になる症状がある場合は、お一人で悩まずに専門家に相談して下さい。
日常生活での注意点やセルフケアを実践することで、症状の軽減や予防にもつながります。当院では、お一人おひとりの状態に合わせた最適な施術をしていますので、変形性股関節症でお悩みなら、一度ご相談ください。最後までお読みくださりありがとうございました。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)