坐骨神経痛の原因と対策

「お尻から太ももの裏側にかけてズキズキする痛み」

「足先までビリビリとしびれが走る感覚」

「長時間座っているとお尻に重だるさを感じる」など、日常生活に支障をきたし、楽しみにしていた用事をあきらめたことはありませんか?

でも、大丈夫です。適切な対処法と治療を受ければ、痛みはとれていきます。

今回は、ある患者さんの体験をもとに、坐骨神経痛について詳しく書いてみました。

この方は文章中で「腰全体とおしりから脚の小指までの神経が痛い」と表現されていますが、これはまさに坐骨神経痛の典型的な症状になります。

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛は、太ももの後ろから足の裏まで走っている太い神経(坐骨神経)に負担がかかることで起こる痛みです。

多くの人が「おしりから足にかけてズキズキする」「電気が走るような」痛みを感じます。

この痛みは、腰やおしりだけでなく、太ももの後ろ、ふくらはぎ、時には足の指先にまで及ぶことがあります。痛みだけでなく、しびれや脱力感を伴うこともあります。

痛みが出る前兆

坐骨神経痛は突然襲ってくるように感じる人も多いですが、実は前兆があることも少なくありません。以下のような症状に心当たりはある方は、少し注意が必要です。

  • 腰の違和感や軽い痛み
  • おしりや太ももの裏側のだるさ
  • 足のしびれや冷えを感じる
  • 長時間座っていると不快感がある

これらの症状が続く場合、坐骨神経痛の前兆かもしれません。早めに対処することで、症状の悪化を防げます。

どんな人がなりやすいか?

坐骨神経痛は、年齢や職業を問わず誰にでも起こり得ますが、特に以下のような方がなりやすいと言われています。

デスクワークが多い人

長時間座り続けると、お尻や腰の筋肉が固まり、血流が悪くなります。これにより、お尻から足にかけて走る太い神経に負担がかかりやすくなり、痛みが生じやすくなります。定期的に立ち上がって軽く体を動かすことが大切です。

デスクワーク時の腰痛(椅子の座り方)については、こちらの記事で詳しく解説しております。

https://www.seikotsu.com/news/%e8%85%b0%e7%97%9b%e3%81%ae%e6%96%b9%e3%81%ae%e6%a4%85%e5%ad%90%e9%81%b8%e3%81%b3

運転手や介護職など、腰に負担のかかる仕事をしている人

同じ姿勢を長時間続けたり、重いものを持ち上げたりすることで、腰や背中に負担がかかります。これにより、神経周辺の筋肉が緊張し、痛みを引き起こす可能性が高まります。座る姿勢や体重の重い方を介助する際は、姿勢に気をつけるなど注意が必要です。

中年以降の方(40代以上に多い傾向)

年齢とともに、背骨や腰の周りの筋肉はどうしても弱くなります。また姿勢も前かがみになりがちです。このような身体の変化も痛みの原因になります。日頃からラジオ体操やウォーキングなどの軽い運動が予防に役立ちます。

妊娠中や出産後の女性

妊娠中は体重の増加や姿勢の変化により、腰への負担が増えます。また、ホルモンの変化で関節が緩みやすくなることも影響します。出産後も体の回復期間中は注意が必要です。適切な産前産後のケアが重要です。

妊娠中の「ホルモンの変化による腰痛」については、こちらの記事で詳しく解説しております。
https://www.seikotsu.com/news/%e5%a6%8a%e5%a8%a0%e5%88%9d%e6%9c%9f%e3%81%ae%e8%85%b0%e7%97%9b%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6

スポーツ選手(特に腰を使う競技)

激しい運動や繰り返しの動作により、腰や背中に負担がかかり、坐骨神経を刺激しやすくなります。特にゴルフやテニスなど、腰をひねる動作の多いスポーツで起こりやすいです。また、フォームの乱れも腰に負担をかける原因になります。

肥満気味の方

余分な体重が腰や背中にかかることで、お尻から足にかけて走る太い神経に負担がかかりやすくなります。BMI5%増加すると、腰痛の危険性が11%上昇するという研究結果もあります。適切な食生活と運動習慣を身につけ、健康的な体重を維持することが大切です。

ストレスを抱えている方

ストレスは体を緊張させ、筋肉が固くなります。すると神経に負担をかけ痛みの原因になります。また、ストレスは「痛みに対して敏感」になる事が分かっています。適度な運動は自律神経を整え、ストレス解消にも効果があります。

これらの要因を理解し、日常生活での姿勢や運動習慣に気をつけることで、坐骨神経痛のリスクを減らすことができます。自分の生活習慣や仕事の環境を見直すことも大事です。

進行具合

坐骨神経痛の進行は人それぞれですが、一般的には以下のような段階を経ることが多いです。

  1. 初期:軽い違和感や痛みが腰やお尻、足に出る。一休みすると改善する。
  2. 中期:痛みやしびれが増し、日常生活に支障が出始める。
  3. 重度:激しい痛みで歩行困難になったり、足に力が入らなくなったりする。

重要なのは、早期発見・早期治療です。初期段階で適切な対処をすれば、重度化を防ぐことができます。

当院での施術例

主訴:腰痛 お尻から足にかけての神経痛

https://g.co/kgs/L2v79mm

Googleマップの口コミより(施術の効果には個人差があります)

上記の方は「腰から足にかけての痛み」がありました。ご本人には自覚はありませんでしたが、体をチェックさせてもらうと、歪みがありました。その歪みを整えることで、腰の痛みだけでなく足の小指にかけての神経痛も良くなりました。

歪みと痛み

身体が歪むとは、本来の姿勢が崩れている状態です。

例えば、立っている時に「お腹を少し突き出す」ように立つ人。

こんな姿勢の方は、腰に負担が溜まります。

また、いわゆる猫背の人。

頭を前に突き出すような姿勢なので、頭を支える首に負担が溜まります。

つまり、姿勢が崩れる(歪む)と、身体のどこかに負担が溜まります。その負担が溜まったところが腰なら腰が痛くなりますし、首なら首が痛くなります。

坐骨神経痛もこれと同じです。

腰や足に痛みがあるのは、腰や足に負担のかかる姿勢(歪んだ姿勢)になっているからです。ですから「歪んだ姿勢」を整えないと、本当の改善にはなりません。

痛み止めの薬や注射をしたけれど、「効果を感じれなかった」「薬が切れたら痛みが戻った」。このような方は、おそらく身体に歪みがあります。

そしてその「身体の歪み方」は人それぞれです。そのために当院では腰と足だけに症状がある場合でも、身体全体を見ます。立っている姿勢、歩く姿、関節の動く範囲などを検査した上で施術を行います。尚、上記の方の感想にもありますが、施術に痛みはありませんのでご安心ください。

痛みが出たら気をつけて欲しいこと

坐骨神経痛の症状が出たら、以下のことに注意して下さい。

してはいけないこと
  • 無理に動き回ること
  • 長時間同じ姿勢を続けること
  • 重いものを持ち上げること
  • 痛み止めに頼りすぎること
して欲しいこと
  • 適度な休息をとる
  • ゆっくりとしたストレッチや軽い運動
  • 入浴はシャワーで済まさずにお風呂に浸かり体を温める
  • 正しい姿勢を心がける
  • 専門家に相談する

まとめ

坐骨神経痛は決して珍しい症状ではありません。多くの人が経験し、そして克服しています。大切なのは、自分の体の声に耳を傾け、なぜその痛みが起こっているのかを理解し、根本的な原因に対処することが大切です。

尚、当院でも腰から足にかけての痛みやしびれに対しての施術はできますので、お困りの際にはご相談ください。最後までお読みくださりありがとうございました。

(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)