反り腰の原因|専門家が教えるNG習慣

「長時間立っていると腰が痛くてつらい」

「お腹がぽっこり出て見えるのが気になる」

「腰の痛みで家事や仕事に集中できない」

反り腰による痛みや不調は、日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼします。腰の違和感が続くと、思うように動けなかったり、気分まで落ち込んでしまうこともありますよね。

こんにちは、大阪市旭区にある「新森桂整体院」の桂 寛章です。

今回のブログでは、反り腰の原因やセルフチェック、改善方法について詳しくご紹介します。

反り腰とは?

反り腰とは、文字通り「腰が反っている状態」を指します。人間の背骨は本来、緩やかなS字カーブを描いていますが、反り腰では腰椎(腰の部分)のカーブが過剰に強くなってしまいます。この状態が続くと、腰痛をはじめ、さまざまな身体の不調の原因となることがあります。

横から見ると、反り腰の方はお腹が前に突き出し「ぽっこり」と見えたり、お尻が後ろに突き出した姿勢になるのが特徴です。見た目だけでなく、筋肉のバランスが崩れたり、体幹が不安定になったりするため、放置すると腰や背中の痛み、疲れやすさなどにつながることもあります。

反り腰になる原因

反り腰は、ある日突然起こるものではなく、日々の生活習慣や姿勢の積み重ねによって少しずつ形成されていきます。主な原因は以下の通りです。

悪い姿勢の習慣

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで猫背が習慣化すると、立っている時に上半身のバランスを取るため、腰を反らせる姿勢になりやすいです。

筋肉のアンバランスや筋力低下

お腹の筋力が低下したり、太ももの前側や足の付け根の筋肉が硬くなると、骨盤を正しい位置に保つことが難しくなり、骨盤が前傾して反り腰になりやすくなります。また、背中や腰の筋肉が過剰に緊張し硬くなっている場合も反り腰の要因となります。

体重の増加や妊娠

特にお腹周りに脂肪がつくと重心が前方に移動し、バランスを取るために腰を反らせる姿勢になりやすくなります。妊娠中も同様にお腹が大きくなることで反り腰になりやすいです。

ハイヒールの頻繁な使用

ハイヒールを履くと重心が前方に傾き、バランスを取ろうとして無意識に腰を反らせるようになります。これも反り腰の原因の一つです。

踵重心の立ち方

立っているときに踵に重心をかける癖があると、バランスを取るためにお腹を突き出す姿勢になり、結果として反り腰を助長します。

反り腰の代表的な症状

「反り腰」と聞くと腰の不調に注目しがちですが、実際には腰痛以外にも様々な症状を引き起こします。

腰痛

腰椎(腰の骨)に過剰な負担がかかることで、慢性的な腰痛が生じやすくなります。特に立っている時や仰向けに寝た時に痛みを感じやすいのが特徴です。

股関節痛

骨盤が前傾し、股関節の可動域が狭くなることで、股関節周囲に痛みや違和感が出る場合があります。

肩こり・首こり

反り腰によって体全体のバランスが崩れると、頭を支える首や肩の筋肉に余計な負担がかかり、肩こりや首こりを引き起こします。

下腹のぽっこり・お尻のたるみ

骨盤が前に傾くことでお腹が前に突き出し、下腹部がぽっこりと見えやすくなります。また、お尻の筋肉が使われにくくなり、たるみやすくなります。

足の疲れ・むくみ・冷え

姿勢の崩れによって下半身の血流やリンパの流れが悪くなり、足の疲れやむくみ、冷えなどの症状が出やすくなります。

疲労感

バランスを崩した姿勢を支えるために筋肉が常に緊張し、血流が悪くなることで、全身の疲労感や回復の遅れにつながります。

反り腰のセルフチェック方

自宅で簡単にできるセルフチェック方法を紹介します。

仰向けに寝て、腰と床の間に手を入れてみる。手のひらがスッと入る、またはこぶしが入る場合は反り腰の可能性が高いです。

また壁に背中をつけて立ち、壁と腰の間に大きな隙間ができる場合も注意が必要です。

反り腰の改善におすすめストレッチ3選

ご自宅で簡単にできるストレッチを3つご紹介します。

片脚抱えストレッチ

やり方

  1. 仰向けに寝て、片膝を両手で抱えます。
  2. 反対側の脚はまっすぐ床につけたままにします。
  3. 抱えた膝を胸の方に軽く引き寄せ、足の裏は天井に向けます。
  4. 腰やお尻の伸びを感じながら、2030秒キープします。
  5. 反対側も同様に行いましょう。
両膝抱えストレッチ

やり方:

  1. 仰向けに寝て、両膝を両手で抱えます。
  2. 両膝を胸に引き寄せるようにして、腰やお尻の伸びを感じましょう。
  3. このまま2030秒キープします。
  4. ゆっくり元の姿勢に戻します。
立って行う太もも前面ストレッチ

やり方:

  1. まっすぐ立ち、片手で同じ側の足首を持ち、かかとをお尻に近づけます。
  2. 膝を揃え、背筋を伸ばしたまま姿勢をキープします。
  3. このとき、腰を反らさないように注意し、お腹に軽く力を入れましょう。
  4. 太ももの前側が伸びているのを感じながら、2030秒キープします。
  5. 反対側も同じように行います。

バランスが不安な方は、壁や椅子などにつかまりながら行ってください。

反り腰を悪化させるNG習慣

日常の何気ない動作や生活習慣が、知らず知らずのうちに反り腰を悪化させていることがあります。以下のような習慣には注意して下さい。

台所でのお腹を突き出す姿勢

流し台で作業をしているときに、お腹を突き出して体を支える姿勢を続けていませんか?このような立ち方は腰椎の反りを強め、反り腰を進行させる原因となります。

古い寝具の使用

長期間同じ敷布団やマットレスを使っていると、腰の部分がへたって沈みやすくなります。これにより寝ている間も腰が反った状態が続き、反り腰を助長することがあります。マットレスを裏返したり、頭と足の向きを定期的に変えるなど、寝具の見直しも大切です。

過度な胸張り・反りすぎた姿勢

姿勢を良くしようと胸を張りすぎると、腰まで反ってしまうことがあります。背筋を伸ばす際は、腰ではなく背中全体を意識し、お腹に軽く力を入れることで、腰の反りすぎを防ぐことができます。

長時間同じ姿勢での作業

デスクワークや立ち仕事など、長時間同じ姿勢を続けることも反り腰を悪化させる要因です。定期的に体を動かし、筋肉の緊張をほぐしましょう。

柔らかすぎるソファや椅子の使用

柔らかいソファや椅子に長時間座ると、骨盤が後ろに倒れたり、腰が反りやすくなります。座るときは、背もたれにしっかり腰をつけて座ることを意識しましょう。

まとめ

反り腰は単なる「腰」の問題ではなく、骨盤や下肢、日常の姿勢や生活習慣など、全身のバランスが大きく関わっています。

そこで当院では、痛みや不調の出ている部分だけでなく、なぜ反り腰になったのかという根本原因(例:踵重心、筋肉のアンバランス、生活習慣)に対処することが重要です。

ストレッチや生活習慣の見直しで症状が改善するケースも多いですが、セルフケアだけでは対処しきれない身体の歪みが隠れている場合もあります。もし、ご自身でケアしても痛みや不調が続く場合は、無理をせず、早めに医療機関にご相談ください。

また当院では無料のメール相談やお電話でのご相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。最後までお読みくださり、有難うございました。

                     (監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)