前十字靭帯・半月板損傷|リハビリ後も膝が曲がらないのはなぜ?

こんにちは。大阪市旭区、京阪電車「森小路」駅から徒歩4分の「新森桂整体院」の桂 寛章です。

前十字靭帯や半月板を損傷して、治療やリハビリを続けてきた。

装具も外れ、そろそろ普通に動いてもいいと言われたのに、

「膝が最後まで曲がりきらない」

「しゃがむと痛い」

「階段や走ると痛む」

「筋肉をつければ大丈夫!と言われたけれど、筋トレをすると痛い」

そんな状態が続く方がいます。

今回ご紹介するのは、前十字靭帯と半月板を損傷し、3か月間装具をつけながらリハビリをされていた、22歳の女性です。

リハビリも終わり装具を外してもよいと整形外科からの許可もでて、ダンスへの復帰を試みましたが、膝の痛みや動かしにくさが残り、思うように踊れませんでした。

では、ケガをしたところは良くなったのに、なぜ膝は以前のように動かなかったのでしょうか。

この方の症例をもとにお話しします。

3か月間の装具生活

この方は、前十字靭帯と半月板を損傷し、約3か月間、左膝に装具をつけて生活されていました。

装具をつけている間は、当然ながら動かしにくさや痛みもあるため、左脚より右脚に重心をかけた生活になります。

簡単に言えば、右脚に体重を乗せた生活です。

病院でのリハビリも終わり、「もう大丈夫」と言われても、しゃがむと膝が痛み、家事や生活に支障が出ていました。

整形外科では「半年くらいすれば、だんだん良くなる」と言われていたそうですが、

「このまま待っているだけで、本当にいいのかな?」

という気持ちもあったそうです。

そんなとき、ダンスの先生から「自分に合う治療をしてくれる先生を見つけてみたら」と言われ、インターネットで当院を見つけて来院されました。

膝が伸びないと体はどうなる?

最初にお身体の状態を確認すると、左膝はしゃがむと痛みがあり、完全には曲げきることができません。

それだけではなく、まっすぐ伸ばしきることもできない状態でした。

ここで少しお考えください。

片方の膝が伸びきらないと、伸びない方の脚は、反対側より短い状態になります。

この状態で立ったら、どうなるでしょうか?

身体は傾きますよね。

分かりやすく言えば、片足だけ靴を履いているようなものです。

その状態で毎日生活していれば、膝だけでなく、股関節や足首にも負担がかかります。

実際、この方の左の股関節や足首の動きは硬くなっていました。

さらに片脚で立ってもらうと、ケガをした左脚だけではなく、ケガをしていない右脚でも身体がふらつき、うまく立つことができませんでした。

これは、3か月間左脚をかばって生活してきたことで、身体全体の重心がかたより、バランスがうまく取れなくなっていたと考えられます。

リハビリ後も膝が曲がらなかったのはなぜ?

ここで大切なのが、筋肉は命令がないと動かないということです。

膝を伸ばすのも曲げるのも、神経から筋肉へ命令が伝わることで、必要な筋肉が伸びたり縮んだりして、膝を動かしています。

ところが、この方は約3か月間、左膝を十分に曲げたり伸ばしたりしていません。

左脚に体重を乗せて身体を支えることも少なかったでしょう。

こうした状態が長く続くと、筋力が落ちるだけでなく、今まで当たり前に動かせていた筋肉が、うまく動かせなくなることがあります。

例えば、正座を長い時間した後、立ちあがろうとした際に、うまく足に力が入らないことがありますよね。

なぜ力が入らないか?

正座で筋力が落ちたわけではありませんよね。

正座という窮屈な姿勢が続くことで、神経と筋肉の連絡がうまく伝わらなくなり、一時的に足に力が入らなくなります。

ですから、正座を止めれば、足の力は戻ってきます。

今回の方は正座とは違いますが、3か月間、膝をかばって生活されてきたことで、膝周りの筋肉をうまく動かせなくなっていました。

筋力をつければ、膝は動くようになる?

もちろん、ケガの後に落ちた筋力を戻すことは大切です。

ただ、今回の方の場合、問題は筋力だけではないと考えました。

なぜなら、

しゃがんで、立ち上がる。

本来、しゃがんで立ち上がるくらいなら、特別な筋力トレーニングをしていなくてもできる動作ですよね。

ところが、この方はしゃがむと膝が痛く、そこから立ち上がるときにも痛みがありました。

つまり、単純に「筋力が足りないからできない」とは考えにくいのです。

筋肉は、力が強ければいいわけではありません。

先ほどお話ししたように、神経からの命令が伝わり、伸びたり縮んだりすることで、膝を動かすことができます。

もし、神経からの命令がうまく伝わらず、筋肉をうまく動かせない状態なのに、筋トレなどで負荷をかけてしまうと、膝に余計な負担をかけることがあります。

そこで今回の方には、筋力をつけることよりも先に、今ある筋肉をきちんと使える状態にすることが必要だと考えました。

そのために行ったのが、足首・膝・股関節まで左脚全体の軸を整える施術です。

足首・膝・股関節まで左脚全体を整える

施術では、痛みのある膝だけを見るのではなく、硬くなっていた足首や股関節も含めて、左脚全体の軸を整えていきました。

当院の施術は、硬くなった筋肉を強く揉んでほぐすことも、関節をボキボキ鳴らすこともしません。

足首・膝・股関節を痛みのない範囲で動かして、神経からの命令を筋肉に届きやすい状態にしていきます。

そのため患者さんからは、

「これで何が変わるんだろう?」

と思った、言われることもあります。

実際、この方の感想にも、

「マッサージでもなく、ボキボキでもなく、痛くない程度に曲げ伸ばしされただけ」

と書かれています。

初回の施術後、その場でしゃがめるように

施術が終わったあと、もう一度、最初にできなかった動きを確認しました。

まず、施術前には最後まで伸ばせなかった左膝が、少し伸びるようになっていました。

片脚で立ってもらっても、施術前に見られたふらつきはありません。

そして、しゃがんでもらうと、

施術前には痛くてできなかった「しゃがむ」という動作ができるようになっていました。

患者さん自身も、これにはかなり驚かれたようです。

ただし、この時点ですべての痛みがなくなったわけではありません。

膝を最後まで深く曲げると、まだ痛みが残っていました。

それでも、膝が少し伸びるようになり、片足でもふらつかずに立てる。そして、できなかった「しゃがむ」という動作ができた。

筋力をつけたわけではありませんが、左足にうまく力が伝わるようになることで、ここまで動きが変わりました。

患者さんからいただいた声

後日、この方から施術を受けたときの感想を書いていただきました。

※施術の効果には個人差があります

リハビリ後も膝の痛みや動かしにくさが残っている方へ

今回の方は、その後も施術を続け、56回ほどで膝の痛みもなくなり、再びダンスを楽しめるようになりました。

前十字靭帯や半月板を損傷したあと、硬くなった関節を無理に動かしたり、筋トレを続けても、なかなか思うように回復しないことがあります。

「リハビリは終わったのに、まだ膝が思うように動かない」

「スポーツに復帰したけれど、痛みがあって思い切り動けない」

そんなときは、筋力だけではなく、膝にきちんと力が伝わっているのか、身体全体のバランスはどうなっているのかにも目を向けてみてください。

前十字靭帯・半月板損傷後、リハビリを終えても膝の痛みや動かしにくさでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

なお、膝の痛みに対する当院の考え方や施術については、こちらで詳しくご紹介しています。

膝の痛みについて詳しくはこちら 】

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

執筆:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章