鍼灸師が自分で使う、背中のコリに効くツボ

「背中のコリがひどくて、肩が重たくてつらい

「デスクワークが長いと背中がバキバキになってしまう」

「忙しい時でも手軽に出来る、解決法を知りたい

パソコンやスマートフォンの長時間使用、ストレスによる緊張、運動不足など、現代社会には背中が凝る原因がたくさん潜んでいます。そこで…

「特別な道具も要らず、座ったままで出来る解消方法があったら良いと思いませんか?」

今回のブログでは、鍼灸師である私が実際に使っている、背中のコリを効果的に和らげる手のツボをご紹介します。これらのツボは、忙しい日常の中でも簡単に刺激できる場所にあり、すぐに実践できますので、ぜひ最後までお読み下さい。

背中が凝る原因

背中がこる原因には、以下のような要因があります:

デスクワーク時の姿勢

今やパソコンやスマホを、全く使わない方は殆どいないと思います。特にデスクワークの方は、仕事中は殆どPC作業…という方も多いですよね。

このPC作業やスマホを見る時に「頭を前に出した姿勢」をとると、頭の重さが必要以上に首や肩、背中の筋肉にかかるため、背中のこりの原因となります。

筋肉の緊張と血行

筋肉は長時間緊張状態にあると、血液循環が悪くなり酸素や栄養が行き渡らず、コリの原因となります。

姿勢が悪いと背中の筋肉が硬くなる → 硬くなった筋肉が血管を圧迫 → 圧迫された血管は狭くなる → 必然的に血管を通る血液量は減る → 血液には酸素が含まれる → 酸素が少ないとコリや痛みが出る

ですから背中のこりを感じている時にお風呂で温まると、血流が回復しコリは一時的に治ります。

背骨の歪み

背骨が歪むと、周囲の筋肉に負担が溜まり、コリの原因となります。

例えば床に座る際に…いつも横座りをしてしまう、デスクワークの際…PCが体の正面でなく少し斜めにある…なども身体を歪める原因になります。

体が歪むと何処かに負担が溜まります。その負担が背中に溜まった結果、背中が凝るようになります。

その他の要因
  • 睡眠不足: 十分な睡眠は筋肉の回復に必要です。睡眠不足は背中のコリを悪化させます。
  • 内臓の不調: まれに、胃や肝臓、心臓の不調が背中の痛みやだるさにつながることがあります。
  • ストレス:精神的なストレスも肩こりに影響します。ストレスを感じると、交感神経が優位になり筋肉は緊張します。

背中のコリを改善するためには、これらの原因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。姿勢の改善、定期的な運動、ストレス管理、十分な睡眠など、日常生活の見直しが効果的です。

鍼灸師が選ぶ背中のコリに効くツボ5選

労宮(ロウキュウ):手のひらの中央より少し上、中指と薬指の間。ストレスにも効果あり。

後渓(コウケイ):小指の付け根。頭痛にも効果あり。

合谷(ゴウコク):手の甲側で親指と人差し指の骨の交わるところ。

商陽(ショウヨウ):人差し指の爪の親指側の付け根。胃と腸のツボでもあります。

少沢(ショウタク):小指の爪の外側の付け根。血流が良くなる、咳にも効果あり。

 

ツボ押しが有効な理由

ツボがなぜ効くか?それは、私たちの体に備わっている「体性内臓反射」のおかげです。この反射は、皮膚や筋肉(体性)への刺激が、内臓の働きに影響を与える仕組みのことです

簡単に言えば、体の外側(皮膚やツボ)をマッサージしたり刺激したりすることで、体の内側(内臓)の調子を整えることができるのです。これは、私たちの体が外と内をつなぐ精巧なネットワークで結ばれているからです。

例えば、手のツボを押すと、そのツボにつながる神経が刺激され、その信号が脳に伝わります。脳はその信号を受け取ると、自律神経系を通じて内臓の働きや血の流れ、筋肉の緊張を緩和させるなどの調整を自動的に行ってくれるのが「体性ー内臓反射」です。

このような仕組みによりツボ押しは、体の自然な治癒力を高め、様々な不調(痛み・しびれ・筋肉のこり)の解消に効果を上げます。

ツボの押し方(時間や回数

ツボ押しを行う際は、以下の点に注意して下さい。

  • 力任せに押さず、心地よい強さの圧で押して下さい。
  • ツボの場所は厳密に考えなくても結構です。上記の図を参考に「押したら気持ちのいい場所」を探して下さい。
  • 1つのツボにつき、1015秒程度を3回ほど押して下さい。
  • 1日に23回行うのが理想的です。

ツボ押しの他に自分でできること

ツボ押しだけで改善すればそれに越したことはないですが、その他に「血行を良くする」ことは、背中のコリの改善に効果的です。以下の方法もぜひ取り入れて下さい。

入浴

お風呂はシャワーで済まさずに、湯船に浸かって下さい。ぬるめのお湯(3840度)に20分程度浸かることで、体が温まるだけでなく下半身に水圧がかかることで、全身の血行が良くなります。

ウォーキング

軽めの有酸素運動は血行促進に効果的です。130分程度のウォーキングを心がけましょう。

ストレッチ

 首や肩、腕のストレッチを行い、筋肉の緊張をほぐします。

姿勢の改善

デスクワーク時は背筋を伸ばし、適度に休憩を取り入れて下さい。

睡眠

質の良い睡眠は体の回復に不可欠です。また就寝前のスマホの利用は自律神経を乱す原因になりますのでおやめ下さい。

まとめ

背中のコリは、現代社会で多くの人が悩まされている症状です。ツボ押しは、自分で手軽にできる効果的な対処法の一つですが、それだけに頼りすぎず、日常生活での姿勢や運動習慣の改善も重要です。

継続的なケアを心がけ、どうしても改善しない場合は、身体の歪みが進んでいる可能性もあります。身体の歪みについては、当院でも施術できますのでお気軽にご相談ください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)