月刊カルテ 大阪マラソン

ilm19_aa01032-s-jpg.jpgさて、最近急に寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしですか?
このコーナーでは、私の印象に残った患者さんの症例をご紹介します。

大阪マラソン、今年もうちの患者さんから3人が参加しました。
皆さん無事完走しましたが、それぞれ印象深い患者さんでした。

一人目は、大阪マラソン2ヶ月前に膝の痛みで来院されたYさん。
「10km走ると膝が痛い」と訴え「1日も早く治したい」と。
理由を聞くと「大阪マラソン」を走るとの事。
なるほど、それは治さねばなりませんね。

ところで今までマラソンの経験は?と尋ねると「無いです。」
『今までで一番の長距離は?』「10kmです。」
『えっえっ~!・・・』
でもね、この方、身体能力が素晴らしい。マラソンこそ未体験ですが、スポーツマン。
可能性は十分感じられました。

ということで、治療開始。
治療中に『でもよく大阪マラソンの抽選当たりましたね。』と聞きますと。
応募の際に自己申告タイムを、競争率の低いタイム(完走タイムが4時間~6時間が一番倍率が高いそうです)にしたそうです。
『えっ何時間にしましたの?』「3時間半です。」『えっ!?マラソン初めてですよね・・・』「はい、10kmが最高です。」
 
なかなかの強者です、Yさん。しかしYさんは結果でも私を驚かせてくれました。なんと完走タイムが「3時間48分!」
初マラソンで「サブフォー」達成です。しかも練習期間2ヶ月で・・・。スゴイです。
Yさん、これからは是非本気でマラソンに取り組んで下さい!きっと素晴らしいタイムが出るはずです!!

続いては、当院きっての本気ランナーのCさん。この方は生粋のランナーで、マラソンシーズンが始まると楽しそうです。
(でもヘルニア持ちなんで、あまり無理はしないほうがいいんですけどね)
昨年は大阪マラソンの抽選に外れ悔しそうでしたが、今年は念願かなって無事当選。それは良いのですが、なんせマラソンのスケジュールが・・・。
ご存知のように、大阪マラソンは11月の25日。しかし、Cさんが毎年走っている「福知山マラソン」は23日。

『さてどうしますの、Cさん?』「もちろん、両方走ります!!」『うそ、中1日ですよ~!?』

って具合で23日の「福知山マラソン」を終えて、24日に治療に来られた際にタイムを聞くと「3時間22分」。
Cさん曰く不調だったそうですが、充分凄いです。(ヘルニアですからね・・・)

そして25日の「大阪マラソン」なんとタイムは「3時間21分!」おとといより「早い!」ビックリしますでしょ?
でも驚くのはまだはやい。この方の年齢はなんと55歳です!まさに超人。しかもゴール後まだ余裕があったと・・・。
感服です。

最後の一人は「大阪マラソン」の前日、まさに飛び込みで来られた方です。(踵の痛みで来院)
24日の診療中「今日予約は空いてますか?」と電話がかかってきました。
あいにく予約がつまっていましたので、他の日を勧めますと「なんとか今日診てもらえないか」ということでしたので、理由を尋ねますと
「大阪マラソンを走る」とのこと。ならば、ということで治療させてもらいました。

それにしても皆さん「大阪マラソン」にかける意気込みは熱いものがありました。ついつい、こちらも応援したくなりましたよ。
あらためて皆さん、完走おめでとうございます!!

つづいては「ぎっくり腰」で来院されたNさん。少し前から腰に違和感を感じていたが、だましだまし過ごしており、2,3日前に『ギクッ』ときたと。
その後、家で様子をみていたが段々悪くなってきたので、心配になり来院。

聞けばNさん、妊娠6ヶ月。妊娠中の為、痛み止めは服用できないしで、困っていたところ友人に紹介され来院。

そんなNさん、初回の治療中に「いつごろ治りますか?」と。『なにか予定でもあるの?』と尋ねると、
「来週挙式なんです・・・」『えっ~大変じゃない、どこでするの?大阪?』「海外です・・・」『えっ~!』

そりゃあ、いつ治るのか気になりますよね。挙式に花嫁が「腰痛で欠席」なんてありえません。
それも親族そろって海外まで行って、主役がリタイヤ・・・。代役は立てれません。

なんとか笑顔で送り出せましたが、正直帰ってくるまで不安でした。
(飛行機、乗って挙式。ウエディングドレスを着るということは、ヒールを履くということですから、腰が反る。ただでさえ妊娠中で腰が反ってるのに・・・)

でもそんな心配をよそにNさん、ニコニコで帰って来てくれました。よかったです!
なんでも写真撮影でウエディングドレスのままヒールで砂浜を歩いたりと、思いのほかハードだったそうですが楽しめたそうです。

「母は強し!」です。

しかし、なにはともあれ良かったです。