雨の日に古傷が痛むのはなぜ?原因と対策

「雨が降る前は、昔痛めた古傷がうずく…」
「身体が重く、肩こりもひどくなる気がする…」
こんなお悩みはありませんか?
こんにちは、大阪市旭区にある「新森桂整体院」の院長 桂 寛章(かつら ひろあき)です。
当院にも、梅雨の時期になると「体が重くて動きづらい」「昔ケガしたところが痛む」という方が多く来られます。
天気と関節痛の関係については、“天気痛や気象痛”とも呼ばれており、雨が続くこの梅雨時は、身体に不調を感じる方が多くなります。
そこで今回は、なぜ雨が降ると古傷や関節が痛くなるのか、その理由と、痛みを和らげるためのヒントをわかりやすくお伝えします。
天気と関節痛の不思議な関係
昔から「古傷が痛むと雨になる」と言いますが、医学的にもこれはあながち間違いではありません。
では、天気が悪くなると、なぜ古傷が傷んだり、身体がだる重くなったりするのでしょうか?
その一番のカギは、**「気圧の変化」**です。
雨が降る前や台風が近づくと、天気予報で「気圧が下がる」とよく聞きますよね?
この気圧の低下が、私たちの身体に影響を与えているのです。
例えば、こんな話を聞いたこともありませんか?
「高い山に登ったり、飛行機に乗って高度が上昇すると、スナック菓子の袋がパンパンに膨らむ」
これは、気圧が低い場所(高い山や飛行機の中)では、袋の外側の圧力が下がり、内側の空気が膨らむためです。
実はこれと同じようなことが、私たちの関節の中でも起きています。
気圧が下がると、体の外からの圧力が弱まり、関節の中にある「関節包(かんせつほう)」という袋状の組織が、わずかに膨らみます。
その結果、周りの血管や神経を圧迫し、特に過去にケガをした場所や弱っている関節でこれが起こると「うずく」「痛い」「だるい」といった不快な症状につながるのです。
天気が悪いと、体の中ではこんなことが…
低気圧が近づくと、実は身体の中では、さまざまな変化が起きています。
自律神経のバランスの乱れ
雨が近づいて気圧が下がると、身体はこの「変化」をストレスとして感じ、敏感に反応します。
そのとき働くのが、自律神経です。
自律神経は、体の中のバランスを整える“司令塔”のような存在で、活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」を、うまくバランスをとって働かせています。
ところが、気圧が急に下がったり、雨が続いたりすると、このバランスが崩れやすくなります。
特に交感神経が過剰に働くと、血管が収縮し、血流が悪くなってしまいます。血流が悪くなると、酸素や栄養が身体のすみずみに届きにくくなり、筋肉の動きが鈍くなったり、凝りや痛みの原因になります。
さらに、こうしたストレス状態では「ヒスタミン」という物質が多く分泌されます。
ヒスタミンは本来、体に必要な物質ですが、過剰になると痛みや炎症を強く感じやすくなる特徴があります。
つまり、気圧の変化によって「なんとなく関節がうずく…」「昔のケガがズキズキする…」と感じるのは、こうした体内の反応が重なって起きているのです。
身体をあまり動かさない
雨が降っていると、なんとなく外に出るのが面倒になりますよね。
「今日は出かけずに家でのんびりしようかな」と、ソファに寝転がったり、スマホやテレビを見ながら長時間過ごしてしまうこともあるかと思います。
しかし、同じ姿勢が長く続くと、首・肩・腰まわりの筋肉がこわばりやすくなります。
特に、座りっぱなしや寝転んだままでいると、筋肉はほとんど使われず、どんどん硬くなってしまいます。
筋肉が硬くなると、血流も悪化します。血液は酸素や栄養を運び、疲労物質や老廃物を回収してくれる大切な役割を担っています。しかし、筋肉がこわばり血流が悪くなると、その循環が滞るので、体の中に「疲れ」や「冷え」や「痛みのもと」がたまりやすくなるのです。
その結果、関節の周りにも負担がかかり、「古傷がズキズキする」「腰が重い」「膝がこわばる」など、梅雨の時期に多い「身体の不調」へとつながってしまいます。
気圧の変化を受けない身体になるためには?
気圧の変化に敏感な人は、自律神経や血流に問題が出やすい状態になっていることが多いです。
そのため、まずは体をこまめに動かすことが大切です。軽いストレッチや深呼吸、姿勢を正すだけでも、血流が良くなり、自律神経も整いやすくなります。
さらにもう一歩進めるなら、「身体の歪み」を整えることがとても重要です。
身体が歪んだ状態では、一部の筋肉や関節に余計な負担がかかり、天気の変化にも影響を受けやすくなります。
たとえば背中が丸くなっていたり、骨盤が傾いていたりすると、背骨に負担がかかります。背骨の周囲には、自律神経の通り道があるため、歪みがあると自律神経にも影響を及ぼします。
だからこそ、「気圧に負けない体づくり」のためには、体の軸を整えること=土台づくりがとても大切なのです。
まとめ
「もう何十年も前のケガだから仕方ない」とあきらめないでください。
雨の日に古傷が痛むのには、ちゃんとした理由があります。身体のバランスや姿勢を整え身体に対する負担を減らせば、痛みや不調は改善できます。
雨の日の古傷の痛みでお困りの方は、この下にある無料相談のメールやお電話で、お気軽にお問い合わせください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)