膝に水が溜まる理由

「膝に水が溜まるって、どんな状態なの?」

「水を抜くと癖になるって本当?」

「放っておいたらどうなるの?」こんな疑問を抱えていませんか?

膝に水が溜まる症状は、膝の痛みで悩む方には身近な症状の一つです。

今回のブログでは、膝に水が溜まる原因から、ご自身でできる対処法、そして当院での施術例も含め、詳しく解説しています。膝の悩みを抱えるあなたに、きっと役立つ情報もあると思いますので、ぜひ最後までお読みください。

膝に水が溜まるとは

膝関節は、大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨で構成され、これらの骨の表面は軟骨で覆われています。軟骨は、骨同士が直接ぶつかり合わないようにクッションの役割を果たし、スムーズな動きをサポートします。

さらに、膝関節には「関節液(滑液)」と呼ばれる液体が少量存在(1〜3ml )しています。この関節液は、膝の動きを滑らかにする潤滑油として働き、軟骨や半月板に栄養を供給するという重要な役割を担っています。

関節液は透明または薄い黄色で粘性があり、通常は適切な量が保たれています。一般的に「膝に水が溜まる」と言われる状態は、この関節液が過剰に分泌されて膝関節内に溜まってしまうことを指します。

 

医学的には「関節水腫」と呼ばれるこの症状は、炎症や外傷などによって引き起こされます。例えば、捻挫や打撲、変形性膝関節症などが原因で滑膜(関節を覆う膜)が炎症を起こし、関節液の分泌と吸収のバランスが崩れることで発生します。

この「水」は本来、膝の健康を保つために誰の膝にもあるものですが、過剰になると腫れや痛みを引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。

膝に水が溜まる主な原因

膝に水が溜まる原因は様々ですが、主なものとして以下が挙げられます:

  • 外傷(ケガ):スポーツ中の捻挫や転倒などによる膝への直接的な衝撃
  • 変形性膝関節症:加齢に伴い軟骨がすり減り、炎症が発生
  • 半月板損傷:膝関節のクッションである半月板が損傷し、炎症を引き起こす
  • 関節内遊離体(関節ねずみ):軟骨や骨の一部が剥がれ、関節内を動き回ることで炎症を引き起こす
  • 痛風と偽痛風:関節内に尿酸やピロリン酸カルシウムの結晶が溜まり、炎症を引き起こす
  • 関節リウマチ:自己免疫疾患により関節が慢性的に炎症を起こす
  • 前十字靭帯損傷:スポーツ中の急な方向転換などで靭帯が損傷し、炎症を引き起こす
  • 過度の運動や負荷:長距離ランニングやジャンプなど、膝に過度な負担をかける運動

膝に水が溜まる症状と初期サイン

膝に水が溜まると、以下のような症状が現れることがあります:

  • 膝の腫れや熱感:膝が普段よりも明らかに腫れていたり、触ると熱を持っている
  • 膝の曲げ伸ばしがしにくい:膝を完全に伸ばしたり、深く曲げたりすることが困難になる
  • 膝を動かすと痛みがある:歩行時や階段の上り下りなど、膝に負荷がかかる動作で痛みを感じる
  • 膝に違和感や重だるさがある:膝が重く感じたり、なんとなく違和感がある

初期サインとしては、運動後や長時間歩いた後に膝に軽い腫れや違和感を感じることがあります。これらのサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。

自己診断の方法

ご自身で膝の状態を確認する方法として、以下の方法があります。

  • 左右の膝を比較して、腫れているかどうかを確認する:鏡の前で両膝を並べて見て、左右の大きさに違いがないかを確認します
  • どのような時に、どれくらいの痛みがあるのかを観察する:痛みの種類(ズキズキする、チクチクするなど)や、痛みの強さを記録しておくと、医師に説明する際に役立ちます
  • 膝の曲げ伸ばしがスムーズにできるか、左右差がないかをチェックする:椅子に座った状態で、ゆっくりと膝を伸ばしたり曲げたりして、可動域を確認します

ただし、自己診断はあくまで目安です。症状が改善しない場合は、医療機関の受診をお勧めします。

膝に水が溜まった時の対処法

膝に水が溜まったと感じた時は、下記の方法を試してください。

・湿布を貼るなら冷たいタイプを選んでください。

・膝に熱感がある場合は、お風呂の長湯はやめてください。

・ウォーキングなどの運動は一時中止し、なるべく安静にしてください。

・夜、寝るときは膝をまっすぐに伸ばさずに、下記の写真のように膝の下にバスタオルなどを入れ、膝が少し曲がった状態にしてください。

 予防法と日常生活での注意点

日頃から膝に負担をかけない生活を心がけることが大切です。

  • 適度な運動と筋力トレーニング:膝周りの筋肉を強化することで、膝関節への負担を軽減できます。ウォーキングや水泳などがおすすめです
  • 正しい姿勢と動作:猫背やO脚などの姿勢の歪みは、膝に負担をかけます。正しい姿勢を意識し、膝に負担のかからない動作を心がけましょう
  • 体重管理:体重が増加すると、膝への負担が増えます。適切な体重を維持しましょう

当院での施術例

当院では、「何が原因で?膝に水が溜まるほど、負担がかかっているのか?」を考えて施術しています。

膝に水が溜まる原因の一つである「軟骨の減少」も、70代でも元気に歩ける人もいれば、60代から膝に痛みを覚え、「変形性膝関節症」になってしまう人もいます。

でも諦めないでください。何度も繰り返し水を抜いている方でも、水が溜まる「真の原因」を取り除けば良くなります。そして、その多くの原因は「身体の歪み」です。身体が歪むことで、膝に負担が溜まり、膝の構造上の限界を超えると、痛みや水が溜まります。ですから当院では「膝に水が溜まっている」からといって、膝だけを見るのではなく、身体全体を見て「歪みの原因」を探し施術しています。

60代:女性 変形性膝関節症 整形外科では、何度も膝に水が溜まり注射で抜くを繰り返していました。手術を勧められましたが、「手術はしたくない!」との思いで来院されました。

https://g.co/kgs/hp3Y4i5

(※Googleマップの口コミより 施術の効果には個人差があります)

医療機関受診の目安

以下のような場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

  • 安静にしていても症状が改善しない場合
  • 痛みが強い、または長期化する場合
  • 腫れや熱感、関節の変形など、他の症状が併発する場合

よくある疑問への回答

Q1: 膝に水が溜まると本当に楽になるの?

A: 水を抜くことで一時的に腫れや痛みは軽減します。しかしあくまで「対症療法」ですので、水を抜くだけでは、真の解決にはなりません。「なぜ?水が溜まってしまったのか?」この原因を取り除くことが大事です。

Q2: 水を抜いた後に再発する可能性はある?

A: 炎症が続いている場合は再び水が溜まります。これは「癖になる」わけではなく、炎症が治まっていない(炎症が起きた原因が解決していない)ためです。

Q3: 放置するとどうなる?

A: 身体の歪みが少なく、少量の水であれば、安静にすることで、自然とおさまっていきます。ただし、いつまでも腫れがひかない、痛みが強い場合は、人間が持つ自然治癒力の限界を超えているということなので、医療機関の受診をお勧めします。

Q4: 冷やすべき?温めるべき?

A: 急性期(腫れや熱感がある場合)は冷却がおすすめですが、慢性的な痛みには温めて血行を促進する方法が効果的です。

Q5: 病院ではどんな検査をするの?

A: 問診や触診に加えて、X線検査で骨の異常を確認し、MRIで軟骨や靭帯など軟部組織の状態を詳しく調べます。エコー検査も即時確認に有効です。

まとめ

膝に水が溜まる原因は様々ですが、早期の発見と適切な対処で症状の悪化を防ぐことができます。日頃から膝に注意をはらい、違和感を感じたら早めに医療機関にご相談ください。

尚、当院でも施術はできますので、お困りの際はご相談ください。最後までお読みくださりありがとうございました。

(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)