肩こりにマッサージが有効なのはどんな時?
こんにちは、大阪市旭区にある新森桂整体院の桂です。
お仕事や家事に追われる日々。
そんな忙しい日常に、たまにポッカリと空いた時間。
日頃の肩こりを解消するためにマッサージを受ける方もいるかと思います。
マッサージ、気持ちいいですよね。
凝り固まった筋肉をプロの手で揉まれたら…寝てしまうくらいです。
でも…マッサージを受けた時は気持ちいいけど、時間が経つとまた戻る
以前ならもう少しマッサージの後は、楽な日が続いたのに…最近なんだか効果が短い気がする
ひょっとして、マッサージだけでは肩こりは治らないのかな?
と悩まれている方もいるかと思います。
そこで今回のブログでは、肩こりの原因とマッサージの効能とを照らし合わせ、どんな時にマッサージが効果があるのか?どんな時は効果を望めないのか?について書きましたので、ぜひ最後までお読み下さい。
なぜ?肩が凝るのか?肩こりの原因は?
肩こりの主な原因についてご説明します。ただし肩こりは一つだけの原因で凝るというより、複数の原因が合わさることでコリを起こすケースが多いです。
姿勢の悪化(猫背や前かがみの姿勢)
本来、正しい姿勢なら頭は背骨の真上にあり、頭の重さは背骨全体で支えています。
しかし、猫背や前かがみの姿勢になると、頭は体の中心から前に出ます。この姿勢では、頭の重さは背骨よりも首や肩の筋肉で支えることになります。
頭の重さは大人で約5~6キログラムもあるため、それを前方で支えるのは首や肩の筋肉にとって大きな負担です。
たとえるなら、腕を伸ばして重い荷物を持ち続けるようなもので、筋肉がどんどん疲れてしまいます。この負担が積み重なると、筋肉が硬くなり血流も悪化し、肩こりや首の痛みを引き起こします。
血流の悪さ(冷え)
冷えによる血流の悪さも、肩こりの原因の一つです。
体が冷えると血管が収縮し、筋肉への血流が滞ります。血流が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が届かず、疲労物質が蓄積されて筋肉は硬くなり緊張します。その結果、肩こりや痛みが発生します。
特に冬場や夏場の冷房の効いた室内では冷えやすいので注意が必要です。
ストレス
ストレスが肩こりの原因になるのは、心の緊張が身体にも影響を与えるためです。ストレスを感じると、自律神経が乱れ筋肉は無意識に緊張します。
特に肩や首周りはストレスの影響を受けやすく、筋肉がこわばることで血流が悪化し、肩こりを引き起こします。また、精神的な疲労が体の疲労感を増幅させ、首や肩のこりをより強く感じることにもなります。
例えば、仕事や家事で忙しい日々を送っていると、気づかないうちに肩や首に力が入りっぱなしになり、筋肉が硬くなって肩こりを感じることがあります。また、緊張する場面が多い職場で、プレゼンや会議の準備中に肩や首がこわばるという経験をした人も多いのではないでしょうか。
さらに、悩みごとや不安で眠れない日が続くと、疲労が溜まり、筋肉の回復が追いつかなくなり肩こりが悪化します。このような日常のストレスが肩こりを引き起こす一因になります。
眼精疲労
眼精疲労が肩こりを引き起こす理由は、目の酷使による筋肉の緊張が連鎖的に首や肩に影響を与えるためです。
人間の目を動かす筋肉は、パソコンやスマートフォンの画面を長時間凝視することで緊張状態が続きます。この状態が続くと、目の疲れだけでなく、頭や顔を支える首の筋肉にも過剰な負担がかかります。
さらに、集中して画面を見る際には姿勢が前かがみになりやすく、肩や首の筋肉が緊張します。この結果、筋肉の血流が悪化し、肩こりとして症状が現れます。
視覚の作業と姿勢の関係が密接であるため、適度な休憩や姿勢の改善が重要となります。
左右の視力差
視力の左右差も肩こりの原因になります。左右の目で見え方が異なると、無意識に見やすい方の目を多く使うため、首や肩が片側に偏って緊張しやすくなります。この偏りが長時間続くと、筋肉のバランスが崩れ、肩こりや首の痛みを引き起こします。
また、左右差を補正しようとして、目を細めたり首を傾けたりすることでさらに負担がかかることもあります。視力の左右差がある場合は、眼鏡やコンタクトレンズで適切に矯正し、目と体への負担を軽減することが重要です。
睡眠不足
睡眠不足が肩こりを引き起こすのは、筋肉や身体全体の回復が不十分になるためです。
睡眠中には、体の修復に関わる成長ホルモンが分泌され、体内の代謝活動を促進させたり自律神経のバランスも整えています。
しかし、睡眠が不足するとこれらの回復が十分に行われず、筋肉が緊張した状態が続いてしまいます。また、浅い眠りやストレスによる寝返りの減少は、同じ姿勢で眠り続ける原因となり、肩や首の筋肉に負担をかけます。その結果、肩こりの悪化につながります。
質の良い睡眠を確保するために、就寝前のリラックスや適度な運動、寝具の見直しも肩こり予防に役立ちます。
マッサージの効能
肩こりに対するマッサージの効能は、筋肉の緊張を緩和し血行を改善することにあります。肩こりは、長時間の不良姿勢やストレス、目の疲れなどが原因で、肩や首の筋肉が過度に緊張し、血流が滞ることが引き金となります。
血液が滞ると、筋肉内に老廃物や疲労物質(乳酸など)が蓄積され、さらに筋肉が硬くなりコリや痛みを引き起こします。
たいしてマッサージは、筋肉を柔らかくほぐし筋繊維の緊張を解消します。これにより筋肉の血流が改善され、酸素や栄養が供給されやすくなります。血流が良くなると、疲労物質や老廃物が排出され、筋肉の回復が促進されます。
さらに、マッサージは自律神経にも働きかけ、交感神経(緊張状態)を抑え、副交感神経(リラックス状態)を優位にします。これにより、ストレスや精神的な緊張が和らぎ、肩こりの原因となる神経的な影響を軽減します。
どんな肩こりならマッサージは有効か?
では、肩こりの原因にマッサージが効果が望めるかについて照らし合わせてみます。
姿勢の悪さに対して
残念ながら、マッサージでは姿勢の悪さを改善させる効果は望めません。たとえマッサージを受けた後、背筋がシャンとした感覚を得ても効果は持続しません。なぜなら姿勢の悪化は体全体のバランスの悪さ・体の歪みから来るものです。ですから特に首や肩だけをマッサージしても姿勢の悪さは変わりません。
血流の悪さに対して
マッサージを受けることで硬い筋肉が緩み血行が改善します。血行が良くなると筋肉に十分な栄養や酸素を届け、疲労物質の回収も促されるので、肩こりもよくなります。
ですから入浴時に湯船に浸かる事でも血行は良くなるので、お風呂で十分に温まった後などは肩こりは楽になります。
ただしマッサージやお風呂で血流が良くなるのは一時的です。根本的な血流の悪さがどこからきているのか?
体が冷えるものばかり食べていたり、姿勢が悪いことで肩回りの筋肉が緊張しているのなら、そこが改善しないと肩こりは繰り返します。
ストレスに対して
マッサージは、自律神経のバランスを整える効果があるのでストレスにも効果があります。マッサージを受けると、体に穏やかな圧力がかかり筋肉がリラックスします。この刺激が副交感神経を活性化させ、リラックス状態を促進します。
※副交感神経を活性化させるマッサージは「穏やかな圧」のマッサージです。「グイグイ」強く押すマッサージは、筋肉の組織を潰し血流を悪くする要因になるので注意して下さい。
副交感神経は「休息・回復」を担当する神経です。一方、交感神経は「緊張・ストレス反応」を担当する神経です。通常は両者のバランスが取れていますが、精神的なストレスがかかると交感神経が優位になり筋肉が緊張します。マッサージによって副交感神経が優位になると、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が抑えられ、自律神経は整えられます。
ただしこれも先ほどの血流と同じで、ストレスのもと(仕事や人間関係など)が変わるわけではないので、あくまでも対症療法となります。
眼精疲労と視力の左右差に対して
これらに対しては、直接的な効果は期待できません。ただし眼精疲労で起こる首や肩の筋肉の緊張に対しては、効果はあります。
睡眠不足に対して
マッサージを受けた日はよく眠れる…などの経験がある方もいらしゃるかと思います。これは自律神経の一つ、副交感神経が活性化した効果です。ただし睡眠時間がそもそも短いなどの方は、根本的な対策も必要です。
まとめ
思いつくままに肩こりの原因などを書いていましたら、長文になってしまいました。申し訳ありません。そこで改めて要約します。
マッサージは、血流の悪さやストレスからくる肩こりには一定の効果はあります。
ですからもしマッサージが「今までより効かなくなってきたかな?」という方は、姿勢の問題・体の歪みがあるかもしれません。
姿勢については、現在マッサージを受けている所で相談されるのもいいですし、当院でも体の歪みは整えれますのでご相談ください。
今回のブログが、肩こりでお困りの方に少しでも役に立てたら嬉しいです。最後までお読みくださりありがとうございました。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)