テニス肘とスマホ肘

「肘が痛くて、日常生活にも支障が出てきた…」
「ネットで調べたら肘の外側の痛みはテニス肘とでた…でもテニスなんてしないのに?」
「最近、スマートフォンを使っていると肘に違和感を感じる…もしかして、これも肘の病気?」
皆さん、こんにちは、大阪市旭区にある新森桂整体院の桂です。
今回は、最近増えてきている「肘の痛み」について書いてみました。
今回の記事では、肘の外側の痛みの代表である「テニス肘」の基本的な情報はもちろん、最近増えているスマホ肘についても解説しています。また、日常生活での注意点や簡単なセルフケア方法もご紹介しますので、肘の痛みでお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
テニス肘とは
テニス肘は医学的には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれ、肘の外側に痛みが生じる症状です。主に、手首を反らせたり、物をしっかり握ったりする動作で痛みが出るのが特徴です。
この名称は1883年に、テニスのバックハンドストロークで肘の外側が痛くなる症状として報告されたことが由来であり、テニスをしない人でも発症します。
テニス肘の原因
テニス肘の主な原因は、手首を動かす動作を繰り返し行うことによる腱へのストレスです。特に、肘の外側にある上腕骨外側上顆という骨に付着する、手首や指を伸ばす筋肉の腱が影響を受けます。
なりやすい人
テニス肘になりやすい要因には以下のようなものがあります。
- 手首を反らす動作を繰り返す人
- 重いものを頻繁に持ち上げる人
- 不自然な肘の角度を長時間続ける人
- 過去に手根管症候群や手首の腱鞘炎を患ったことがある人
テニスやバドミントンなどのラケットスポーツ選手だけでなく、パソコン作業が多いデスクワーカーや、重い荷物を扱う仕事をする人にも発症リスクがあります。
セルフチェック
テニス肘かどうかを簡単にチェックする方法です。
- チェアテスト:椅子の背もたれをつかみ、肘を伸ばした状態で持ち上げる。
- 中指伸展テスト:抵抗を加えた状態で、手の中指を伸ばす。
- トムゼンテスト:抵抗を加えた状態で、手首を反らせる。
これらのテストで肘の外側に痛みが生じる場合、テニス肘の可能性があります。
スマホ肘の台頭
近年、スマートフォンの普及に伴い、「スマホ肘」と呼ばれる症状が増加しています。スマホ肘は、長時間のスマートフォン使用によって引き起こされる肘の痛みです。
スマホ肘とテニス肘の違い
スマホ肘とテニス肘は似た症状を示しますが、いくつかの違いがあります
原因
テニス肘:主に手首を反らす動作の繰り返し
スマホ肘:スマートフォンを持つ姿勢の維持と指の反復動作
痛みの位置
テニス肘:主に肘の外側
スマホ肘:肘の内側または外側
年齢層
テニス肘:30~50代に多い
スマホ肘:幅広い年齢層で発症
テニス肘と紛らわしい疾患
肘の外側に痛みが出る症状には、テニス肘以外にもいくつかの疾患があります
外側側副靭帯損傷
特徴:肘の外側の靭帯が損傷し、肘が不安定になる
テニス肘との違い:手のひらを上に向けて持ち上げる時に痛む
滑膜ひだ症候群
特徴:関節内の滑膜のひだが肥厚し、挟まれることで痛みが生じる
テニス肘との違い:肘を曲げ伸ばしする際にひっかかる感覚がある
橈骨神経絞扼症候群
特徴:橈骨神経が圧迫されることで起こる
テニス肘との違い:痛みに加えて、前腕外側のしびれや脱力感がある
肘の痛みを悪化させない注意点
テニス肘やスマホ肘の症状を悪化させないために、以下の点に注意しましょう
パソコン使用時
キーボードやマウスの高さを適切に調整し、手首の過度な背屈を避ける
定期的に休憩を取り、ストレッチを行う
スマートフォン使用時
両手で持つなど、片手に負担がかからないよう注意する
使用時間を制限し、1時間に1回は休憩を取る
スマートフォンを持つ角度や高さを調整し、不自然な姿勢を避ける
鞄の持ち方
重い鞄は肩にかけるなど、手や肘に直接負担がかからないよう工夫する
両手で持つなど、負担を分散させる
日常生活での注意
重いものを持つ際は、できるだけ体全体を使って持ち上げる
タオルを絞るなどの動作を行う際は、力を入れすぎないよう注意する
治りやすい肘と治りにくい肘の差
テニス肘は基本的には治りやすい疾患です。あるデータでは8割の人は自然治癒すると言われています。しかし、なかには1年以上治らない人もいます。「この差は何か?」と言いますと、「肘以外にも痛みの原因がある」ケースがほとんどです。
血行不良が治りにくさの原因
テニス肘の主な問題箇所である「短橈側手根伸筋」の腱は、元々血行が悪い部位です。ご存知の通り、傷の修復には良好な血流が不可欠です。血液には酸素や栄養が含まれており、これらが十分に供給されないと、傷の修復が遅れてしまいます。
上肢全体の歪みに注目
では、なぜ血流が悪くなるかと言いますと、それは上肢全体の歪み・ねじれです。
例えば肩の位置がいわゆる「巻き肩」になっているケース。肩の筋肉は肘まで繋がっているものもありますから、肩の位置が「ズレている」とその負担は、肘にも出ます。もちろん、単に「巻き肩」だけなら肘に痛みは出ませんが、巻き肩で肘を酷使した結果、治りずらい肘の痛みになる事があります。
その他にも「上肢の歪み方」は人それぞれで、ここで限定することは出来ませんが、治りにくい肘の痛みは「肘」以外にも問題があるケースがほとんどです。
当院の施術
「肘への負担が何処からきているのか?」その原因を姿勢や各関節の可動域、筋力検査などを行い、肩から手首までの関節のねじれを整え、血流を改善し、筋肉の緊張をとることで、肘の痛みの根本的な改善を図っています。
まとめ
テニス肘は、スポーツ選手だけでなく、日常生活の中でも発症する症状です。近年では、スマートフォンの普及に伴い、スマホの使い過ぎでテニス肘と似た痛みを、肘の外側に発症する方も増えています。
テニス肘やスマホ肘は、早期発見と適切なケアで改善が見込める症状です。しかし、長期間症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、専門的な施術を受けることをお勧めします。
当院でも肘の施術はできますので、お困りの際はご相談ください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)