中学生に増加中の起立性調節障害について

「どうして、うちの子は起きられないの?」

「ねぇ、起きて。もう7時だよ」
「早く制服に着替えて! 遅刻しちゃうよ!」
…でも布団から出られない。頭を抱えたまま、起き上がれない娘さんを前に、心配と苛立ちが入り混じった気持ちに…。

毎朝のように繰り返されるこのやり取り。
でも、もしかするとそれは怠けや反抗ではなく、体の不調かもしれません。

最近、「朝起きられない」「頭が痛い」「学校に行けない」と悩む中学生が増えています。
その原因の一つとして、起立性調節障害(OD)が注目されています。

起立性調節障害ってなに?

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、自律神経の働きがうまく機能せず、血圧や心拍数の調整が難しくなる状態を指します。
特に思春期の子どもに多く、なかでも女子に多いことが知られています(男女比はおおよそ1:1.5〜2で女子に多い傾向)。

私たちの体は、寝ている状態から起き上がるとき、重力で血液が下半身に偏らないよう血管を収縮させ、脳に血液を送り続ける仕組みがあります。これは自律神経の役割の一つですが、起立性調節障害ではこの調整がうまくいかず、脳への血流が不足してしまいます。

その結果、以下のような症状が起こります:

  • 立ちくらみ、めまい
  • 強い倦怠感(体が重くて動けない)
  • 朝起き上がれない
  • 動悸・息切れ・頭痛

中でも特徴的なのが、夜は元気なのに朝になるとまったく動けなくなるという状態です。
これは、体が休息モード(副交感神経優位)」から「活動モード(交感神経優位)に切り替わらないことが原因です。
本人にとっても「なぜ自分は朝になると動けなくなるのか」が分からず、混乱や不安を抱えることがあります。

誤解されやすいけれど、本当は違うんです

朝になると起き上がれず、学校に行けない。夜は元気に見えるのに、朝はつらそう。
そんな様子を見ると、「やる気がないのでは?」「甘えているのでは?」と思ってしまうこともあるかもしれません。

でも、起立性調節障害は本人の意志や気持ちの問題ではなく、自律神経の調整機能にトラブルが起きている身体的な不調です。

「どうして自分は普通に起きられないのだろう」「また今日も遅刻してしまう」と、強い罪悪感や無力感を抱えているお子さんも多いです。

そんな時に、周囲から「ちゃんと起きなさい」「怠けているんじゃないの?」という言葉を受け取ると、本人はますます自信を失い、心の元気までも失われてしまいます。

まずは、「これは病気や体の調整の問題であって、意志の弱さではない」という周囲の理解が、何よりの支えになります。

親や周囲にできること

起立性調節障害の子どもにとって、周囲の理解とサポートはとても大きな力になります。

  • 無理に起こそうとしない
    責めたり焦らせたりすることは、逆効果になることがあります。
  • 朝の対応を柔軟に
    本人のペースに合わせて行動のハードルを下げる(例:朝食をベッドで食べる、遅れて登校するなど)。
  • 日中の調子が良い時間を有効活用
    午後から登校する、クラブ活動だけ参加するなど。
  • 睡眠時の環境を整える
    遮光カーテンの使用や、寝る2時間前からスマホの使用を控える。
  • 食事の時間を整える
    体内時計(=自律神経)を狂わせないために、3食のリズムを一定に保つ。
  • 医療機関を受診する
    小児科、心療内科、自律神経外来などで診断・対応が可能です。

「どうせ今日もダメなんでしょ」ではなく、
「今はうまくいかない日もあるけど、少しずつ良くなっていけるからね」
と、寄り添って声をかけてあげてください。

整体でもできるサポート

起立性調節障害の背景には、自律神経の乱れがあります。
自律神経が乱れている状態では、身体が常に緊張しやすく、「リラックスしたくてもできない」という状態になりがちです。

当院では、そうした状態に対して、やさしい刺激で背骨や骨盤のゆがみを整え、全身の緊張をゆるめる整体を行っています。

骨格や筋肉のバランスが整うことで、身体のこわばりが少しずつ解消されていきます。
緊張がゆるむと、血流がスムーズになり、呼吸も深く吸いやすくなります。
血流が良くなり、呼吸が整うことで、身体の隅々まで酸素や栄養がしっかりと行き届くようになります。

自律神経は、呼吸や血流、筋肉の緊張と密接に関係しています。
そのため、こうした身体の状態が整うことで、自律神経のバランスも少しずつ整い、朝と晩の「オンとオフ」の切り替えがしやすくなっていきます。

薬だけに頼らず、身体の根本から整えていきたいとお考えの方は、一つの選択肢として整体をご検討ください。

まとめ

起立性調節障害は、見た目ではわかりづらい“目に見えない不調”です。
だからこそ、周囲が怠けているわけではない」「自分でもコントロールできないつらさがあるということを理解することが大切です。

そして、本人が「分かってもらえた」「責められずに済んだ」と感じられる環境が、回復への第一歩になります。

気になる症状があれば、早めに医療機関に相談してみてください。
正しい理解と小さなサポートの積み重ねが、子どもたちの明日を少しずつ変えていきます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

なお、当院でも起立性調節障害に対応した整体を行っておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。
(監修:鍼灸学士・柔道整復師 桂 寛章)