本題に入る前に「痛み」の経路について簡単に説明して
おきましょう。
人間の脳から出た神経は、頚椎、脊椎と走り、脊椎を中心に
左右対称に分岐しており、脊椎の前角から出る神経と
後角から出る2つの神経があります。
前角から出ている神経は運動神経、後角から出ている神経は
感覚神経です。
運動神経が傷つくと麻痺が起こり、感覚神経が傷ついた時は
痛みがでます。
この2つの神経の情報伝達経路は、まったく逆です。
運動神経は、脳の視床下部から発信された命令が頚椎、脊髄と下に降りてきて、
脊椎の末端にある側策のところでUターンし、脊椎の前角に出て末梢まで伝わります。
これに対して感覚神経は末梢の細胞が、キャッチした情報を脳の視床下部にある
感覚中枢に送り、そこで初めて痛みを感じます。
つまり、運動は脳から始まり、痛みは末梢から始まるというわけです。
さて、本題の「痛み」ですが、痛みとは痛みの原因
(ブラディキニンやセロトニン)が痛み刺激となり知覚神経を
介して脊髄を通り、脳に達し痛みの自覚を生じます。
それと同時に伝導過程の脊髄レベルで運動神経を興奮させ、
筋緊張の増大を引き起こします。
さらに、交感神経、副腎を刺激してカテコールアミンの分泌を
促し、血管収縮を起こし、組織の貧血状態を作り出すのです。
事実、細胞内ではカリウムイオンとナトリウムイオンが
交互に配列し、代謝が円滑に行なわれているのですが、
何らかの原因で痛みが発生すると、筋肉に異常な緊張が
起こり、交感神経が作動、血管の収縮が起こります。
貧血状態になった細胞組織では、細胞のイオンバランスが崩れ、通常とは異なった
異常代謝となり、発痛物質であるブラデイキニンやセロトニンが分泌されるのです。
これらの発痛物質が新たに知覚神経を刺激し、痛みの伝導認識(末梢神経から
中枢神経を経由、大脳で知覚)が繰り返されます。
すなわち“痛みの悪循環”が起こるのです。
私達の身体は、神経の働きとイオンによる電気信号によって
バランスが調整され、固有の周波数があることが知られて
います。
例えば、心臓からは心臓電流、脳からは脳波、神経や筋
からは動作電流、ケガをした部位からは損傷電流という
具合にです。
そして、細胞の内側にはプラスの電荷が、外側の細胞膜には
マイナスの電荷が多くなり、均等にイオンバランスがとれ、
健康が維持されています。
この、イオンバランスは、カリウムイオンとナトリウムイオンに
よって行なわれます。
細胞膜の内側はカリウムイオンが多く、ナトリウムが少ない。
逆に細胞膜の外側では、カリウムイオンが少なく、ナトリウムイオンが多いのです。
これらは、大脳や神経細胞の末端の情報によって、調整されています。
これが何らかの理由で、臓器が損傷すると、
カリウムイオンが多くなり、プラスイオン集団が形成されます。
そして、その周辺組織の細胞や神経細胞の中にある
マイナスイオンが引きつけられます。
そこで反対側の組織周辺には、プラスイオンだけが残る事に
なるのです。
こうしたイオンのアンバランスが細胞から細胞へと次々に
伝達され、内臓からは皮膚細胞へ、神経細胞では中枢神経
から大脳へ伝達されます。
まるでドミノがバタバタと倒れるように伝達されることから、
これを“ドミノ現象”と呼んでいます。
つまり、痛みとは本来、内側にある筈のカリウムイオンが外側に多くなり、
プラスイオンが優位になった状態で、言い換えればイオンの逆転現象ともいえます。
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